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2011年6月7日(火)

もう夏なのですね、こんにちは。 いつもこのサイトを覗いて下さって、ありがとうございます。 いかがお過ごしでしょうか?

さて、先月初旬まで神戸の Gallery TANTO TEMPO で開かれていたチャリティー写真展 『Socio Arte KOBE 2011』も無事に終了いたしました。

お陰さまで、義援金と合わせ総額¥833,292の支援金が集められ、東北の被災地のために、日本赤十字社とジャパンプラットフォームに寄付されました。 このチャリティー展を主催してくださった Gallery TANTO TEMPO の社長・山田真理子氏と、ディレクター・杉山武毅氏、そして写真を購入して下さった全ての方々に深くお礼申し上げます。 自分が出展していた11枚のプリントも、それぞれの方々のお手元に巣立ってゆき、この度のみなさんの支援への感謝と、今後の支援へと繋がる想いが、また新たに心に刻まれました。 本当にありがとうございました! 微力ながらも、このようなイベントを通して、今後も被災地の応援を継続していきたいと思います。

わたくしごとですが、いままで、自分のサイトを通しては、政治的、社会的な考えを表示するのはずっと避けて来ました。 普段はそういうことを、自分なりにいろいろと考えながら、あれこれとブツブツ言っている方の人間かしらと思いますが、政治的・社会的なことと自分のアートは、はっきり分けておきたかったので、そのような考えを、アーティストの立場から公表するのは避けてきたのでした。 ですが、もうそんなことを気にしている場合ではないですよね、この追い込まれた日本の状況を考えると・・・。 で、何を言いたいかというと、唐突ですが、私は「脱原発」派の人間の一人です。 こんな事態になってしまって尚更、「もう原発はいらない」と思います。 少しずつでも減らさなければ、と思います。 ドイツもスイスも、原発はもう止める方向に進めることにしましたね。 日本もやればできるでしょう。 (ベルギーといえば、首相の不在期間が世界最長の呆れた国でありますので、恥ずかしながら全く論外です・・・。)

日本が変われる機会は今しかないでしょうね。 ソーラーの開発、本気で研究を進めれば、日本の技術でなんとかなるはず。 地震や津波は、人間にはコントロールなんて全くできないんだから、今回の大惨事から学ばなければ、また繰り返すことも否めないでしょう。 それだけは避けたいし、避けなければなりませんよね。 人間は、「地球の主ではない」ということもいいかげんに自覚して、他の動植物、生態系に迷惑をかけるのももう止めないと・・・。 この度の放射性物質放出のせいで、いままでみんなで地道に取り組んできた、二酸化炭素の排出を極力減らす努力のような「地球に優しいエコ」も水の泡。 このまま原発を促進し続けるなら、「地球に優しい」なんて胡散臭いコトバ、日本の政府や企業はもう二度と使えなくなるでしょうね。 東北の被災地の方々の犠牲やご苦労を、フクシマの悲劇を、絶対に無駄にしてはいけないと思います。

そういえば先日、ブリュッセルの道端で、昼間だというのにグデングデンに酔っ払ったオッサンに、「あんた、どこから来たんだい?フクシマかい?」と話しかけられました。 「それは秘密だ。 あんたこそ、どこから来たんだい?」と言い返してやりましたが、あんなどうしようもない酔っ払いでさえ、「フクシマ」という日本の地名を知っていて、それをちゃんと記憶している上に、発音まで正確にできるとは・・・。 「福島」の国際的な知名度が、これほどまでに上がってしまったという皮肉な現実を、ふいに叩きつけられた一幕でありました・・・。

本当に微力ではありましたが、先月の帰国時に、甚大な被害があった宮城県・石巻市にボランティア活動をしに行きました。 テレビ放送を通じて、被災したひとりのおばあちゃんが「着物がなにもありません、着物を送ってください、どうかお願いします。」と、か細い声で涙ながらに訴えておられるのを見て、何かしないと耐えられない気持ちが突き上げてきたからでした。 私の母の小学校時代の友人が石巻に住んでいて、震災後から連絡が取れなくなっていたので、そのお家も訪ねることにしました。

ネットでボランティア団体の情報を調べて、集団でバスに乗って被災地に入るグループにもいろいろと応募してみましたが、応募がすぐにいっぱいになり、そこには参加できませんでした。 巷では、「ボランティアは十分に足りている」というふうに噂されたりしましたが、これは全くの間違いで、「県外から現地に入るグループの、バスの本数が全く足りていない。」というのが正確な情報だと思います。 応募にもれ続けて、らちが明かないので、結局、現地のグループに連絡をとって、個人で夜行バスに乗って現地入りしました。

日程上、現地では短期間の活動でしたが、物資の仕分け作業と、自宅避難民の方々のマッサージをいたしました。 宮城県の「チーム王冠」さんというボランティア・グループに参加し、皆さんにはとてもご親切にしていただきました。 「チーム王冠」さんのリーダーさんとメンバーの方々は、眠る時間もないほど支援活動に力を入れておられました。 行政による救いの手が全く届いていない、自宅避難民の方々の支援に全身全霊で取り組んでおられ、とても感銘を受けました。

今回、石巻の渡波(わたのは)という町に伺いましたが、海の近くの陸地には、何にもなくなってしまった更地が目立ち、そして陸の方に入っていけば、津波で破壊された家々の破片であろう木の瓦礫が、山のように積み重なり、流された家そのものや、壊れた車や家電、個人の品々や置物や靴などがあちらこちらに散乱していました。 流されなかった多くの家々の一階も、人が住めるような状態ではなく、おびただしい数の瓦礫が突っ込んでいたり、流された車が突っ込んでいる家もありました。 この大変悲惨な状況の現地には、実際、いろいろな県からのボランティアの方々も汗を流して活動しておられましたが、まず、この無数の瓦礫の撤去作業などが終わらねば、「復興」への道にはほど遠く、まだまだボランティアの数が足りていないのが現状です。

被災者の方々に背中や肩のマッサージを差し上げている時、ぽつりぽつりと、ご自分の身の上話や津波に遭ったときの話を、自発的に聞かせてくださることが度々ありました。 きっと、よその人に向けてだからこそ、心の内に貯めこんでいたことも話すことができるのだろう、と思いました。 皆、津波のときの状況と行動は話されても、何故だか「怖かった」とは誰もおっしゃいませんでした。 ですが、それはそれは怖かったことだろう・・・と、お話を聞いてそう感じました。 東北の人々は本当に芯の強い人ばかりだと、心底そう思いました。

ボランティア活動の空いた時間に、「チーム王冠」さんのご協力で、自分の母の友人のお家を見つけることが出来ました。 2階だけは津波にやられていなくて、助かったのでした。 このお家の近所のおばあちゃんに人探しをしている事情を話すと、このお家のことをいろいろと教えてくださって、別れ際に、「がんばってね、がんばってね!」と、このおばあちゃんに励まされました。 被災者のおばあちゃんに応援されて、その言葉はとても深く優しく、一生忘れないだろうと思いました。 東北の人はなんて優しいんだろうと、泣きたい気持ちになりましたが、笑顔でお礼を言ってわかれました。

母の友人ご夫婦はつい最近、引っ越していったということがわかりました。 とにかく無事でなによりでした。 そのお家の2階には、ご自身のお家を失ったお義兄さんが住まれていて、その方からいろいろとお話をお聞きできました。 「海の近くに住んでいて、津波の日は雪が積もっていて、とても寒かった。あの時は逃げずに家にいた。」とおっしゃっていました。 奇跡的に助かった方のようでした。 ご親切に、私の携帯電話を繋げてくださって、母の友人と話すことが出来ました。 途切れていた人の輪が繋がって本当に良かったと思いました。 このおじいさん(お義兄さん)は、とても優しくて、しっかりとした方でした。 私が差し上げようとしたお水やお菓子は、「さっき、配給を貰いに行ったところだから。」とおっしゃって受け取ろうとされませんでした。 東北の人は、なんて謙虚で遠慮深いんだろう、と思いました。

こんなに素晴らしい東北の方々が、震災によって大変悲しい思いをして、そしてずっとご苦労の耐えない毎日を過ごしておられる現実は、本当に受け入れがたい不条理な事実でした。 不幸中の幸いで家の2階がなんとか残った方々でも、電気やガス、水道水や下水が閉ざされてしまって、そして食料や衣服も足りていない方々が山のようにおられました。 元気な私たちが、がんばって、この事態を一日も早くなんとかしなくては、一体どうなってしまうんだろう・・・、と思いました。

今回の活動を通して、東北でのボランティア活動は、健康な人なら誰にでも出来るということがわかりました。 無理だけはしないように気をつければ、誰にでもできる支援が被災地にはまだまだ沢山あります。 この夏の帰国時にはまた参加しに行きたいと思います。

余談ですが、最近、どこやらの支援グループの”代表”と名乗る人が、「被災地に視察に行ってきた」と言っているのを聞いて、唖然としてしまいました。 まるで、どこかの国の総理大臣か大統領のような・・・。 被災地は見に行くところじゃないでしょ。 現地までわざわざ出かけて、汗を流さず、手を汚さず、人を助けず、「視察」って言い切ってしまうところが既にもう恥ずかしいんですが、上から目線で一体何をしてるんだろう??と、不思議に思いました。 くれぐれも、被災地を「見に行くこと」は避けましょう!

話を元にもどしますね・・・

きっと、「ボランティアをしたいけど、自信が無い」とか、「ボランティア・グループの探し方が、いまいち分からない」という方々もおられるかと思います。 ご参考までに、私が参加いたしました宮城県のボランティア・グループ、「チーム王冠」さんのHPをコチラを載せておきますね。 (『エンゼル・ボックス』という、「あなたが届けたいもの」 (食料など)を入れた支援物資の箱も随時受け付けておられますので、ご興味がおありの方は、「チーム王冠」さんのHPをご一読されますよう、よろしくお願いいたします!);
http://team-oukan.squares.net/

あと、「ボランティアプラットホーム」という別のサイトがあって、こちらに登録しておくと、ご希望に沿ったボランティア情報をメールで送ってくれるシステムがあり、コチラのサイトも便利です; http://b.volunteer-platform.org/

日本はもう梅雨の季節ですね。
ベルギーもとても暑くなってきました。 相変わらず私は元気で、写真を沢山写しています。 新しい写真集の出版は来年になりそうです。

あと、今年に入ってから、自分で発見して命名した「デカルコタージュ」という新しい技法のアートもいろいろと創っています(笑)。 またどこかでお披露目する機会があればと思います:)

映画も沢山観ています。 先日は、ヴィム・ヴェンダース監督の新作、『Pina』 を観ました。(あの、コンテンポラリーダンス界の巨匠・ピナ・バウシュとダンサー達のドキュメンタリー・ダンス映画です。) とても素晴らしい映像の芸術映画でした! 使われている音楽も、どれもこれも素敵でした。 特に、日本の作曲家・Jun Miyake三宅純)氏の 『tHe heRe aNd afTer』 という曲が挿入歌と最後にも使われていて、それがまた、ものすごく素敵だったので、早速CDを買いに走りました!(i-Tuneではなく、私は何がなんでも、絶対「CD」派です;) 自分の中では、久々の大ヒット曲となりました・・・。

映画 『Pina』は 、コンテンポラリーダンス・ファンでない方々も含めた全ての方々におススメの映画です!ヴェンダースピナに捧げた、人間の根底にある美意識とパッションが散りばめられたこの映画の予告編はコチラ; http://www.pina-film.de/

蒸し暑い季節がやって参りましたが、皆さんも、どうぞご健康にはお気をつけてお過ごしくださいね。 それでは、またお目にかかれる日を楽しみにしています!

Reiko *** PS: 1) 個人連絡ですが、5月に日本でお会いできなかった友人の方々、どうもごめんなさい! この夏に、日本でまたお目にかかれますように!

PS: 2) こちらも個人連絡です。 神陵台中学水泳部の同級生の方、そして中三のときに同じクラスだった方、ご一報くださいませ。 お世話になったS先生の「お祝い会」についてのお知らせがありまーす!